妊娠の喜びもつかの間、
つわりが始まると毎日が憂鬱になりますね。
つわりは妊娠4~5週目頃から始まり、
妊娠12~16週目頃に落ち着く方が多いようですが、
人によって違いがあります。
妊婦さんの50~80%の方がつわりを経験すると言われていますので、
つわりを全く経験しない妊婦さんもいるということです。
また、つわりの程度も、ちょっと気持ち悪くなるだけの方から、
入院が必要になるほどの方までさまざまです。
つわりの症状(胃痛)
つわりの症状にはさまざまなものがありますが、
代表的なものに「吐きづわり」があります。
今まで気にもならなかったにおいに反応して気持ち悪くなり、
吐き気をもよおしてしまいます。
そのため食欲がなくなり3度の食事をきちんと摂ることが難しくなってしまいます。
また胃もたれや胸やけがして「吐く」まではいかないけど、
一日中ムカムカして今まで通りの快適な生活が送れなくなることもあります。
そしてお腹は空くけど食べれない、無理して食べると吐いてしまう、
何も食べずにいても吐き気をもよおし胃酸まで吐いてしまう。
そんな酷い状態になってしまう事もあります。
吐くことで胃酸が食道に逆流し、食道は胃酸に対しての防護力がないため、
食道の粘膜が溶けて炎症が起き、胃痛になってしまうのです。
この胃痛の症状は人によって異なりますが、
胃がむかむかして、雑巾のように絞られているような感覚だったり、
みぞおちのあたりが押されるように痛いという症状です。
この胃痛は他のつわりの不快症状と比べて長引きやすい傾向があるそうです。
というのも、嘔吐で内膜に炎症が起きてるからです。
ムカムカが収まっても、炎症が治らないと胃痛はおさまりません。
胃もたれや胸やけがして一日中ムカムカするという症状は
妊娠初期に分泌される黄体ホルモン「プロゲステロン」が原因とされています。
ですので、このホルモンの分泌が減れば胃もたれも胸やけも解消されます。
しかし嘔吐によって内膜に炎症が起きたことによる胃痛は
内膜が治らない限りは解消されません。
少しでも快適にこの時期を過ごすためにも、
なるべく吐かないようにしたいですね。
胃痛の対処法
胃痛にならないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
妊娠初期のこの時期は、黄体ホルモン「プロゲステロン」の影響で
胃の働きが弱くなっています。
なので、なるべく消化のよいものを食べるようにしましょう。
消化のよい主食には、パン、おかゆ、うどん、そうめんなどがあります。
タンパク質なら、白身魚、鶏ささみ、ひき肉、豆腐、はんぺんなどがあります。
調理法も油を使わず、煮たり蒸すと良いでしょう。
野菜なら、ジャガイモ、サトイモ、長芋、小松菜やほうれん草がよいでしょう。
食物繊維が豊富な野菜は消化によくありませんので気を付けましょう。
果物なら、バナナ、すりおろしリンゴ、キウイ、桃などが消化がよいです。
これらのものを少量ずつ、よく噛んで食べるようにしましょう。
一度にたくさん食べてしまうのも胃に負担がかかりますからね。
またお腹が空きすぎても気持ち悪くなって吐き気をもよおすことが多いです。
お腹が空きすぎる前に、少し食べるようにするのもよい方法です。
無理して食べる必要はない・・・けど
妊娠初期のこの時期はお腹の赤ちゃんの為に栄養を摂らなくても
赤ちゃんは成長していきます。
それは、卵黄嚢(らんおうのう)という赤ちゃん専用のお弁当を
持ってお腹にやってきてくれるからです。
胎盤が出来上がるまでの間、赤ちゃんは卵黄嚢から栄養を摂っているので、
お母さんがあまり食べれなくても、赤ちゃんの発育に問題はありません。
そのため、つわりでつらい時は無理して食べる必要はなく、
お母さんは自分がバテないように食べるだけで大丈夫です。
とはいえ、全く食べないという選択は避けましょう。
食べないと胃酸が濃くなり、胃の粘膜を痛めてしまうからです。
3食をきまった時間にきちんと摂る必要はありませんが、
食べられるものを食べられるときに、少しでも食べるようにしましょうね。
ヨーグルトは胃腸の働きを助けてくれる乳酸菌が豊富ですし、
消化もよく、冷やして食べれるので食べやすくお勧めです。
また、牛乳が飲めるなら、ホットミルクは胃粘膜を保護してくれるますし、
精神的にもほっとさせてくれますのでお勧めです。
その他、食べた後はすぐに横にならないようにしてくださいね。
その方が消化が良いそうです。
それでも辛いときは無理せず病院で相談しましょう
消化の良いものを食べるようにしたり、空腹になりすぎないように気を付けても、
一度胃や食道の内膜が荒れてしまうとなかなか治らないかもしれません。
どうしても辛いときは病院で相談してみましょう。
妊婦でも飲める薬を処方してもらえます。
胎盤が完成し、妊娠中期に入ったら、
赤ちゃんの栄養=お母さんが食べたものになります。
その時にきちんと食べられるように、胃痛を長引かせないようにしたいですね。